1−4 その他



1−4 その他


(1) 国連を中心とした国際防災体制との連携等

 内閣府においては,「国際防災の10年」終了後も引き続き防災に関する国際機関と強調して国際防災協力を推進していくため,国内的にも所要の体制を整備したほか,2国間防災協力を推進した。(国費 35,910千円)

(2) 国際防災科学技術共同研究の推進

 文部科学省においては,「国際防災の10年」の成果をうけ,世界で多発する自然災害に有効に対処するため,国内外の防災関係研究機関が連携して防災に関する技術開発を推進するためのワークショップの開催等を行った。(国費 4,324千円)

(3) 防災意識の高揚

a 内閣府においては,「防災週間」,「防災の日」を中心に,「防災フェア」,「防災とボランティアを考えるつどい」等の行事を実施すること等により,防災知識の普及と防災意識の高揚を図った。(国費 22,800千円)
b 警察庁及び都道府県警察においては,過去の災害発生状況,防災に関する知識等について各種広報誌で紹介するなど,国民の防災意識の高揚に努めた。
c 消防庁においては,テレビやインターネットによる広報活動を実施するとともに,地方公共団体に対し「防災週間」「防災とボランティア週間」等の機会を通じ,広報活動や啓発行事を実施するよう要請した。(国費 51,865千円)

(4) 防災関連情報の総合的活用の推進

 内閣府においては,防災関連情報の高度利用を目的とした基本システムの運用及び高度化の検討を行った。また,防災対策を的確に実施するための基礎的・理論的な調査研究を行った。(国費 50,137千円)

(5) 防災基本計画の推進

 内閣府においては,原子力災害対策編の修正等防災基本計画を改訂し,その普及・推進を行った。

(6) 防災分野における国際協力等の推進

 内閣府においては,開発途上国における防災体制の整備の促進を図るための調査を行った。また,アジア地域を対象にしたリスクアセスメントの検討を行った。
(国費 20,265千円)

(7) アジア防災センターにおける多国間防災協力の推進

 内閣府においては,アジア防災センターにおける多国間防災協力として,防災情報の収集・提供,防災協力の推進に関する調査等を行った。(国費 108,990千円)

(8) 企業における防災対策と職場での防災活動の推進

 内閣府においては,企業の防災活動の参考となる事例を収集するなど,企業防災に関する普及啓発を行った。(国費 17,273千円)

(9) 阪神・淡路地域の防災関係情報の活用

 内閣府においては,今後の防災対策に資するため,阪神・淡路大震災教訓情報資料集をインターネットにより公開するとともに,関連情報の補充など,必要なフォローアップ業務を行った。(国費 14,218千円)

(10) 復興対策の調査検討

 内閣府においては,復興施策全般について調査検討を行うとともに,地方公共団体がより迅速かつ的確に復旧・復興が推し進められる指針としての総合復興手引書作成のための調査を行った。また,我が国の復興施策への反映に資するため,海外における復興施策の調査を行った。(国費 29,760千円)

(11) 大規模災害対策の推進

 警察庁及び管区警察局においては,大規模地震対策特別措置法に基づく警戒宣言の発令時及び大規模災害発生時における災害応急対策等について検討を行った。また,災害時には,画像伝送等による迅速な現場情報の収集,伝達に努めるなど,災害警備対策の強化推進を図った。(国費 698,943千円)

(12) 防災と放送についての連絡会

 総務省においては,放送事業者やケーブルテレビ事業者の団体と関係省庁が定期的に防災に関する情報交換等を行う連絡会を開催し,防災に対する放送の役割の向上を積極的に推進した。

(13) 災害の場合の放送についての要請

 総務省においては,放送事業者に対して,非常災害時において放送が果たすべき重要な役割を確保できるよう万全の措置を講じると共に,外国人,視聴覚障害者等に対する配慮を行うよう要請した。

(14) 無線局における災害対策

 総務省においては,防災関係機関の無線局の免許,定期検査等に際し,免許人に対して,災害に対する保安対策,予備電源の設置,予備装置等の配置,地域防災関係機関等との連携等を行うよう指導した。

(15) 地域防災計画の見直しの推進

 消防庁においては,地方公共団体に対し,防災アセスメントや被害想定の実施等により,地域防災計画を抜本的に見直すとともに,地域の実情に即した具体的かつ実践的な内容となるよう要請・助言等を行った。また,平成9年6月,平成12年5月及び12月の防災基本計画の修正を踏まえ,地域防災計画における各種事故災害対策の充実を図るよう地方公共団体に対し,要請・助言等を行った。(国費 2,386千円)

(16) 防災まちづくりの推進

 消防庁においては,地域コミュニティ等における防災に関する取組等のうち,特に優れた取組を総務大臣賞等により表彰する防災まちづくり大賞を実施し,防災上の効果を解説したパンフレット等により幅広く紹介した。

(17) コミュニティ防災の推進

 消防庁においては,大規模な地震災害時に自主防災組織など,住民自身が倒壊家屋からの救出等を行うことの重要性を認識し,自主防災組織における救助訓練を推進するため,ビデオ及びテキストを作成した。(国費 10,798千円)

(18) 防災ボランティアの活動環境の整備推進

 消防庁においては,次の方策を講じることにより,防災ボランティアの活動環境の整備を推進した。
a 災害ボランティアデータバンクの設置
 防災ボランティア団体等に対し,その活動概要等に関する調査を実施し,防災ボランティアと行政の連携に当たって,参考となるデータとして「災害ボランティア・データバンク」を設置,運営した。
b 災害ボランティアの活動環境整備に関する連絡協議会
 災害ボランティア団体の活動環境整備に関する連絡会議を,年1〜2回開催し,都道府県の災害ボランティアに関する取組事例の紹介や災害ボランティア団体の活動状況に関する講演等を行い,都道府県・政令市の担当者で情報共有を進めた。
(国費 9,793千円)

(19) 地域住民への災害情報提供の推進

 消防庁においては,地域住民の防災意識の高揚を図り,自己責任に基づいた的確な災害対応行動を促すため,防災パンフレットやインターネット等を用いた住民への情報提供方法について,地方公共団体で取り組まれている「防災情報の地域住民等に対する効果的な提供事例」について調査・収集を行った。(国費 3,898千円)

(20) 緊急消防援助隊派遣体制の整備

 消防庁においては,緊急消防援助隊の出動が円滑に行われるよう,早期出動体制,関係機関との連携体制等を検討し,緊急消防援助隊要綱改正に伴って新たに創設する部隊や出動体制の強化などの検討を行った。(国費 12,657千円)

(21) 緊急消防援助隊動態情報システムの開発

 消防庁においては,緊急消防援助隊が被災地で,効率的に活動できるようにするため,高度化された通信体系により各部隊の動態情報を把握し,広範囲かつ大規模な派遣であっても円滑で効果的な活動が行われるように支援するシステムの開発を行った。
(国費 105,396千円)

(22) 緊急消防援助隊の全国合同訓練

 消防庁においては,発足から5年目となる緊急消防援助隊の組織及び資機材を総合的に検証し,また,出動体制及び複雑・多様化する災害への対応能力の強化を行うため,東京都江東区において全国規模での合同訓練を実施した。(国費 36,445千円)

(23) 防災情報通信体制の整備

 消防庁においては,防災情報システムにインターネットの技術を導入するとともに登録データの充実を図り,利便性を向上させた。また,大規模災害発生時に災害現場の最前線に出動し,被災状況等の収集,消防庁との連絡調整を行う前線基地ともなる現地活動支援車の運用訓練を行った。(国費 194,863千円)

(24) 消防団の充実強化

 消防庁においては,消防団の一層の充実強化を図るため,地域における消防団の活動拠点となる施設の整備を行う消防団拠点施設等整備事業及び消防団に必要な設備等の総合的な整備を行う消防団活性化総合整備事業により,計163団体に対し補助を行うとともに,消防団が直面する課題と取組事例について取りまとめ,冊子の配付を行った。さらに,補正予算において消防団基盤緊急総合整備事業を実施し,127団体に対し補助を行った。(事業費 2,934,036千円  国費 1,280,681千円)

(25) 救急業務高度化の推進

 消防庁においては,傷病者の救命効果をより一層向上させるため,救急業務の高度化に関する諸施策及び住民に対する応急手当の普及啓発を推進するとともに,救急要請に対する対応能力の向上を図るため,救急指令システムに関する検討を行った。
(国費 8,566千円)

(26) 救助技術高度化の推進

 消防庁においては,救助技術の高度化を図るため,救助技術に関する検討を進めるとともに,化学災害事案に対する救助体制の検討を行った。(国費 4,655千円)

(27) 航空消防防災体制の整備

 消防庁においては,消防防災活動の迅速性,機動性を高め,災害被害の軽減を図るため,ヘリコプターを活用した航空消防防災体制を充実強化し,ヘリコプターの広域的運用や救急業務への活用等を推進した。(国費 5,842千円)

(28) 国際消防救助隊の海外派遣体制の整備

 消防庁においては,海外において大災害が発生した場合に,被災国の要請に応じ,市町村の消防機関の救助隊員等で構成される国際消防救助隊を派遣する体制を整備し,国際消防救助隊の教育訓練を行うことにより,一層の充実強化を図った。
(国費 1,134千円)

(29) 消防に係る国際協力の推進

 消防庁においては,消防機関,国際協力事業団等と協力して,開発途上国を対象に消防研修員の受入れ,消防専門家の派遣,プロジェクト方式技術協力を実施するとともに諸外国の消防事情に関する調査等を行った。

(30) 文教施設の防災対策

 文部科学省においては,文教施設の耐震性能の向上対策等,文教施設の総合的な防災対策を推進した。(国費 8,048千円)

(31) 学校等における防災体制の充実

 文部科学省においては,地域防災組織や関係機関との連携方策,災害時の情報連絡体制の整備等に関する実践研究を市町村教育委員会に委嘱した。(国費 26,588千円)

(32) 災害救助調査研究・研修事業

 厚生労働省においては,災害救助を適切かつ迅速に実施する上で必要な調査研究を行い,その成果を研修等を通じ広く情報提供する事業を実施した。
(事業費 33,081千円  国費 33,081千円)

(33) 国立病院等における災害医療体制の整備

 厚生労働省においては,国立病院東京災害医療センターを始めとする全国10箇所の防災拠点国立病院を中心に災害医療のネットワーク体制の整備をすすめた。また,災害時の医療支援を迅速に行うため,全国の国立病院・療養所に専用回線による情報連絡網の整備を行った。

(34) 食糧等の備蓄

a 乾パン及び乾燥米飯の備蓄
 農林水産省においては,災害対策用乾パン及び乾燥米飯合わせて約26万食を政府倉庫等に備蓄することとし,農林水産省備蓄分に不足が生じた場合等には,防衛庁が備蓄している乾パンの供給を受けられるよう措置した。(国費 10,424千円)
b 種子の備蓄
 災害発生時における代作用種子の確保を図るため,社団法人日本種苗協会において16種類の野菜種子約52klを備蓄した。また,被災農業者が必要とする代作用種子の配布に備えて,種苗管理センターにおいて,そば及び大豆の種子約31トンを予備貯蔵した。(国費 1,268千円)

(35) 山地防災体制の整備

 農林水産省においては,山地災害等に係る情報収集能力を強化するため,市町村職員,地域における治山技術者OB等を山地防災ヘルパーとして認定するとともに,講習会,現地研修会を実施した。(国費 10,705千円)

(36) 農林水産省における情報収集・伝達体制の整備

 農林水産省においては,災害に強い通信手段として農林水産本省と各地方農政局等とを結んだ衛星通信施設等を整備した。(国費 22,518千円)

(37) 国土交通省災害対策用ヘリコプターの整備

 国土交通省においては,災害発生直後の迅速かつ的確な被災状況の把握等に資するため,中部地方整備局に画像伝送システムを搭載した災害対策用ヘリコプターを導入した。(国費 1,360,000千円)

(38) 国土交通省防災センターの整備

 国土交通省においては,大規模災害時に,国土交通省非常災害対策本部等による円滑な防災活動を行うため,防災情報を迅速かつ的確に収集・分析・提示できる情報システム及び災害対策の審議・決定・指示を行う施設等からなる国土交通省防災センターの整備を行った。

(39) 土地保全基本調査の実施

 国土交通省においては,危険な自然作用から国土を保全するため,自然環境,災害対策の実績等を都道府県ごとに調査する土地保全基本調査を山梨県において実施するとともに,平成11年度に調査を行った神奈川県について,縮尺10万分の1の土地保全図を作成した。また,過去に発生した災害を類型化し,その類型ごとに災害の発生と自然条件との関係を調査するため,広島地域の土石流災害について縮尺5万分の1の調査を実施した。(国費 43,782千円)

(40) 沿岸海域基礎調査

 国土交通省国土地理院においては,沿岸海域の各種防災・保全等の基礎資料とするため,伊予長浜地区について2万5千分の1の沿岸海域地形図,沿岸海域土地条件図を作成した。(国費 68,299千円)

(41) 土地条件調査

 国土交通省国土地理院においては,岸和田地区について,災害対策及び土地の開発・利用計画の基礎資料とするため,地形の分類,低地の地盤高等に関する事項等を調査し,2万5千分の1土地条件図作成を行った。(国費 16,710千円)

(42) GIS基盤情報整備

 国土交通省国土地理院では,GISの利用に不可欠な全国の道路,河川・海岸線,鉄道等の国土に関する骨格的な地理情報をディジタル化し,GIS基盤情報の整備を実施した。
(国費 1,930,631千円)

(43) 被災宅地危険度判定制度の整備及び判定士の活用

 国土交通省においては,宅地災害が広範囲に発生した場合に,被害の発生状況を迅速かつ的確に把握するための危険度判定を実施することによって,二次災害を軽減・防止することを目的として創設された被災宅地危険度判定制度について,引き続き危険度判定を行う技術者の養成登録を行うなど,危険度判定の実施体制の整備を進めた。
 また,平成12年10月の鳥取県西部地震及び翌年3月の芸予地震に際して,被災市町村から要望に基づき当該判定士が現地踏査を実施し,被害状況や危険度の調査等の活動を行った。

(44) 宅地災害の防止対策の推進

 国土交通省においては,地方公共団体等に対して,宅地防災マニュアルの普及を図るとともに,宅地造成工事規制区域指定要領を参考に適正な指定地域の見直しを指導した。また,安全かつ安心な宅地の確保・供給の促進との観点から,老朽化擁壁の判定指標に係る指針及び宅地性能の評価に係る指針の整備を進めた。

(45) 道路交通情報の充実

 災害情報,工事・交通規制情報等の情報をリアルタイムにカーナビゲーション等の車載機へ提供するVICS(道路交通情報通信システム)の整備を,警察庁,総務省,国土交通省において推進し,平成12年度にはサービスエリアを27都道府県と全国の高速道路に拡大するとともに,情報内容の充実を図った。
 また,警察庁及び国土交通省においては,交通情報板,道路情報板や(財)日本道路交通情報センター等を通じて,道路交通情報を道路利用者に提供するため,情報収集・提供業務の高度化を図った。

(46) 災害に対応した道路管理情報システムの整備

 国土交通省においては,防災カルテ等の防災情報をデータベース化した新たな道路防災管理システムの導入を図った。また,防災情報と道路施設管理に関する情報を有効に組み合わせるための地理情報システム(GIS)の活用について検討を進めるとともに,衛星を活用した災害情報収集方式,災害復旧用資機材の調達を迅速化するためのデータベースの構築を推進した。

(47) 予報,警報その他の情報の発表,伝達

 気象庁においては,適時適切な予報,警報その他情報を発表するとともに,防災関係機関,報道機関に伝達して,災害の防止・軽減に努めた。また,各種天気図や波浪,海面水温,海流及び海氷の実況・予想図,静止気象衛星雲写真,台風予報図等について,気象無線模写通報(無線ファクシミリ放送)等によって提供した。

(48) 地球規模の高度海洋監視システムの推進

 気象庁においては,文部科学省,海上保安庁等と連携して,全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握するとともに,海洋変動・気候変動の把握・解明等を進展させるための地球規模の高度海洋監視システム(ARGO計画)を推進した。また,全世界から集まる中層フロート等の海洋観測データを高精度に処理し,関係機関に提供するシステムを構築した。(国費 329,944千円)

(49) 沿岸防災情報図の整備

 海上保安庁においては,離島や沿岸域において自然災害が発生した場合における海上からの救難・救助活動を迅速かつ適切に実施するため,自然情報,社会情報及び災害危険地,避難地等の防災情報を網羅した沿岸防災情報図4図の整備を行った。
(国費 7,770千円)

(50) 災害対策総合推進調整費による調査

 内閣府においては,災害対策総合推進調整費を別表の調査等に配分した。
(国費 204,360千円)

(表4−1−1参照)災害対策総合推進調整費による調査等

(表4−1−1)災害対策総合推進調整費による調査等

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