次頁 ３ 風 水 害 対 策
（１） 降雨災害防止に関する研究
文部科学省防災科学技術研究所においては，大型降雨実験施設及び同施設に必要な計測器の整備並びに同施設を用いた豪雨による斜面崩壊に関する実験的研究を行った。
（国費 39,139千円）
（２） 雲観測用レーダによる降水形成過程の基礎研究
文部科学省防災科学技術研究所においては，科学技術振興調整費重点基礎研究により，雲観測用マルチパラメータレーダーを用いて，研究所構内において鉛直上向き観測を実施した。また，詳細な雲物理過程を含む１次元雲モデルを完成させた。
（国費 7,133千円）
（３） 北海道における風水害対策に関する研究
国土交通省北海道開発局開発土木研究所においては，次の研究を行った。
ａ 河川災害防除に関する研究
洪水の制御・予測・堤防強化といったハード，ソフト両面での研究を進めるとともに，洪水発生時の危機管理システムの研究を行った。また，河川を利用する側から見た川の安全性向上に関する研究を行った。（国費 20,475千円）
ｂ 斜面災害防止に関する研究
積雪寒冷地における，光ファイバーを用いた風雪や凍上凍結に耐え得る斜面変状監視システムの確立，力学的観点による急崖斜面の解析・検討及びハザードマップの作成等に関する研究を行った。（国費 21,406千円）
ｃ 農地保全に関する研究
泥炭地域における農地の沈下量を推定・把握するともに，沈下量に影響する泥炭層の性状との関連を究明し，地盤沈下対策に資する研究を行った。
（国費 4,654千円）
（４） 土砂災害，河川災害に関する研究
国土交通省土木研究所においては，次の研究を行った。
ａ 非均衡状態の海浜過程に関する研究
海岸浸食に対する海岸保全に関して，大型水路を用いた移動床模型実験により，海浜安定化に関する研究を行った。（国費 9,493千円）
ｂ 流砂系一貫とした土砂移動予測モデルの開発に関する研究
土砂災害の防除のため，山地から沿岸漂砂域までの流砂系一貫とした土砂移動予測モデルの開発に関して，土砂移動実態等の研究を行った。（国費 12,785千円）
ｃ 少子高齢社会における災害に係る構造分析と情報資源の活用に関する研究
土砂災害・河川災害の防除のため，災害に対する社会構造の変化や地域災害対策等について研究を行った。（国費 12,716千円）