第2章 法令の整備等



第2章 法令の整備等


(1) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年5月8日 法律第57号)

 平成11年6月の梅雨前線に伴う集中豪雨では,広島県を中心として激甚な土砂災害が発生した。予測の難しい突発的な集中豪雨に加え,地形条件や山裾まで宅地開発が進み土砂災害危険箇所が拡がっているという土地利用状祝が重なって短時間に土砂災害が多発し,広島県では24名の尊い命が犠牲となった。
 土砂災害は毎年各地で約1,000件発生しており,そのような災害の発生するおそれのある土砂災害危険箇所は,約18万件あり,全国約9割の市町村に存在する。また,近年の土砂災害の特徴として迅速な避難の困難な高齢者,障害者等いわゆる災害弱者が被災者に占める割合は増加傾向にあり,少子高齢社会を念頭においた施設整備やソフト対策が強く求められている。さらに,新たな宅地開発等に伴い,危険箇所は年々増加しており,その全ての危険箇所を対策工事によって安全にしていくには膨大な時間と費用が必要となる。このため,人命を守るためには土砂災害防止工事によるハード対策と併せて,土砂災害の危険性のある区域を明らかにし,その中で警戒避難体制の整備や危険な箇所への新規住宅等の立地規制等のソフト対策を充実させていくことが重要となっている。
 このことから,土砂災害のおそれのある区域についての危険の周知,警戒避難体制の整備,住宅等の新規立地の抑制,既存住宅の移転促進等のソフト対策に関する新たな法制度として「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」が成立し,既存の事業関連諸制度と相まって総合的な土砂災害対策を講じることになった(平成13年4月1日施行)。

(表2−1−1参照)法律の概要

(表2−1−1)法律の概要
(2) 地震防災対策特別措置法の改正

 地震防災対策特別措置法は,地震による災害から国民の生命,身体及び財産を保護するため,平成7年7月に施行され,同法により,都道府県知事は人口,産業の集積等の社会的条件や地勢等の自然的条件等を総合的に勘案して,地震により著しい被害が生じるおそれがある地域について,「地震防災緊急事業五箇年計画」を作成することができることとされた。また,同計画に基づいて実施される事業で,特に住民の生命・身体の保護,災害応急対策の充実,被災者の生活の早期安定化に資するもののうち,補助率の比較的低いものについては第一次計画についてのみ財政上の特例措置が設けられていたが,現状の整備状況や対策の重要性から,これらの事業をさらに強力に推進する必要があるため,平成17年度末まで特別措置を継続するよう同法が改正された(平成13年3月)。

(3) 防災基本計画の修正

 平成11年に発生した東海村ウラン加工施設臨界事故や原子力災害対策特別措置法の制定等に対応し,原子力災害対策の一層の充実・強化を図るため,防災基本計画原子力災害対策編の修正を行った(平成12年5月)。
 また,中央省庁再編に対応し,必要な修正を行った(平成13年1月)。

(4) 防災業務計画の修正

 上記の原子力災害対策特別措置法の制定及び防災基本計画の修正を受けて,警察庁,防衛庁,科学技術庁(当時),通商産業省(当時),農林水産省,海上保安庁において,防災業務計画の修正を行った。
 また,省庁再編を踏まえ,18の指定行政機関において防災業務計画の制定・修正を行った。


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