3−2 アジア防災センターの活動内容と今後の取組み



3−2 アジア防災センターの活動内容と今後の取組み


(1) アジア防災センターの活動

 アジア防災センターは,アジア地域の災害軽減に資するため,防災関連情報を共有する情報センターとして活動しており,設立以来ほぼ4年余を経過し,23カ国に及ぶメンバー国とのネットワークを構築して,多国間防災協力を推進している。
 インターネット上のホームページ (http://www.adrc.or.jp/)別ウインドウで開きます 等を活用して,防災情報ネットワークを構築し,最新災害情報,災害対策事例,各国の防災体制,防災専門家や行政官等の人材情報等を体系的に集積,データベース化するとともに,各国へ発信している。また,世界中で20世紀に発生した自然災害の概況,アジア地域と他地域との比較,アジア地域で発生したすべての自然災害のリスト等を網羅したデータブックを発刊し,情報提供に努めている。
 ネットワーク形成の基本的要素であるヒューマンネットワークの形成として,現地調査,アジア防災センター専門家会議等の開催を通じた防災行政の人的ネットワークの構築,防災に関する国際会議等への参加等通じた関係機関との協力関係の樹立等,ネットワークの拡大を推進している。同センターは平成11年2月,12月,平成12年12月に,各国防災担当者及び関係機関等の専門家を招聘した国際会議を開催し,参加者間の信頼関係の醸成と協力関係の強化を図るとともに,各国の防災情報並びにニーズとシーズに関する情報の共有化を推進している。また,同センターは,メンバー国との共同にて,防災研修や普及啓発等のプロジェクトを実施しているほか,メンバー国によるインド西部地震合同調査を実施し,アジア地域を中心とした防災力の向上に寄与している。

(2) 第4回アジア防災センター国際会議

 平成14年1月,第4回アジア防災センター国際会議が開催され,20か国を超えるアジア諸国,国連人道問題調整事務所や国連ISDR事務局をはじめとする国際機関の参加を得て,各国防災担当者間の関係強化やアジア地域の災害に係る課題の検証,防災に関するニーズの把握などを行うとともに,防災情報の共有のさらなる推進が必要との共通認識がなされた。
 また,同会議では,インド政府が特別セッション「グジャラート地震の教訓」を企画し,震災の教訓をメンバー国間で共有するとともに,新たな多国間協力のあり方について活発な議論がなされた。
 今後も引き続き,同センターを中心に,参加国・関係機関がもてる資力と能力を駆使して国際防災協力を推進し,21世紀のアジア地域における自然災害の被害の軽減・防止を実現していくことが期待される。


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内閣府政策統括官(防災担当)

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