表示段落: 第3部/第5章/4/4-1


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4-1 阪神・淡路大震災に関する復興対策

(1) 震災復興事業に係る特別の地方財政措置

 総務省においては,被災市街地復興特別措置法に基づく「被災市街地復興推進地域」において被災地方公共団体が実施する土地区画整理事業及び市街地再開発事業について,引き続き,国庫補助事業に係る地方負担額に充当される地方債の充当率を90%に引き上げる(従来30%)とともに,その元利償還金について普通交付税措置を講ずる。

(2) 災害公営住宅等の家賃の低減

 低所得者の被災者の居住の安定を図るため,災害公営住宅等の家賃について,地元地方公共団体が特別に減額する場合の特別措置として,入居後5年間,その減額分の一定割合を国が補助するとともに,地方負担について,特別交付税措置を講ずる。

 また,入居後5年間を対象とする現行措置に引き続き,激変緩和としての5年間の移行措置を講ずる。

(3) 復興に伴う登記事務処理体制の整備

 法務省においては,復興に伴う大量かつ集中的な登記事務を適正かつ迅速に処理するため,引き続き他部署の職員による事務応援及び賃金職員の雇用による処理体制の整備を図る。

  平成13年度予算額 (7百万円)

  平成12年度予算額 (12百万円)

  差引増△減    (△5百万円)

(4) 要保護及び準要保護児童・生徒に対する補助

 文部科学省においては,災害のため経済的な理由で就学困難となった小・中学校の要保護及び準要保護児童・生徒に援助を行った市町村に対し,次の補助を行う。

  平成13年度予算額 (79百万円)

  平成12年度予算額 (84百万円)

  差引増△減    (△5百万円)

(5) 地震防災フロンティア研究の推進

 独立行政法人防災科学技術研究所においては,兵庫県の協力のもと,兵庫県三木市の地震防災フロンティア研究センターにおいて,多分野の研究者等の連携により,都市部を中心とする地震災害の軽減に関する先導的な研究を推進する。

(6) 実大三次元震動破壊実験施設の整備

 独立行政法人防災科学技術研究所においては,構造物等の耐震性向上を図るため,阪神・淡路大震災級の地震動を模擬し,実大規模での構造物等の破壊現象を解明する実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)を,兵庫県三木市において整備を推進する。

(7) 水道施設の整備

 厚生労働省においては,水道事業者等が復興対策として実施する水道の施設整備に対して,国庫補助制度により必要な財政的支援を行う。

(8) 産業復興支援

 経済産業省においては,阪神・淡路大震災の被災地域における経済復興に資する産業支援体制を整備するため,引き続き,民活法の支援措置による産業関連基盤施設整備の促進,被災中小企業の再建・復興に向けた支援策の促進を図るとともに,復興に係る企画・調査事業,新産業創造事業等各種復興関連プロジェクトの実現に向けた支援を行う。

  平成13年度予算額 (167百万円)

  平成12年度予算額 (177百万円)

  差引増△減    (△10百万円)

(注)

 うち,8百万円については「5章4-1(9)中小企業対策」を再掲。

(9) 中小企業対策

 中小企業庁においては,引き続き,被災中小企業への円滑な資金供給の実施,被災中小企業の再建・復興に向けた支援策を講じる。

  平成13年度予算額 [8百万円]

  平成12年度予算額 [10百万円]

  差引増△減    [△2百万円]

(注)

 うち,8百万円については「5章3-1(6)政府系中小企業金融三機関による融資」と重複。

(10) 鉄道の整備

 国土交通省においては,神戸市営地下鉄(新長田〜三宮間8.1km)の新線建設に要する費用の一部を補助する。また,鉄道駅の利便性及び安全性の向上を図るため,土地区画整理事業と一体的に行う最寄駅(阪神電鉄岩屋駅,春日野道駅)の総合的な改善事業に対し補助を行う。

(11) 大阪湾ベイエリアの整備の促進等

 大阪湾臨海地域開発整備法に基づく中核的施設の整備の推進による被災地域の復興を図るため,平成13年度までに整備計画の同意を得たものに対し,日本政策投資銀行のNTT株売却収入の活用による無利子貸付等について融資比率の改善(神戸市,尼崎市,西宮市,芦屋市,伊丹市及び宝塚市において現行25%または37.5%を50%に引き上げ)を実施する。

(12) 被災者向け住宅確保対策

 国土交通省においては,次の措置を講ずる。

a

 低所得の被災者の居住の安定等を図るため,平成13年度予算において,災害公営住宅等の家賃の特別低減対策のための補助を行う。

b

 住宅金融公庫の災害復興住宅融資等による住宅の再建について,引き続き必要事業費の確保により,事業を推進・支援する。

c

 マンションの復興の促進のため,優良建築物等整備事業等について,引き続き必要事業費の確保により,その推進を支援する。

d

 大震災により滅失した家屋の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合の居住用財産の譲渡所得の課税の特例に係る譲渡期限を平成14年3月31日まで(本則 災害があった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日まで)延長する措置を講ずる。

e

 大震災に係る以下の税制上の特例措置について,適用期限を平成16年度まで延長する措置を講ずる。([3]は,平成17年度まで延長)

[1]

 大震災により滅失した住宅に代替する住宅を取得した場合の登録免許税,固定資産税,都市計画税,及び不動産取得税の特例。

[2]

 大震災の被災者が取得した特定の土地の所有権等の移転登記に係る登録免許税の特例

[3]

 大震災により滅失・損壊した家屋の敷地に係る固定資産税,都市計画税の特例

[4]

 大震災の被害者に対する特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税

(13) 被災地域の再生等のための面的整備事業の推進

 国土交通省においては,被災市街地復興推進地域等の再生,被災者のための住宅供給及び新都市核の整備のため,土地区画整理事業,市街地再開発事業,住宅市街地整備総合支援事業,密集住宅市街地整備促進事業,住宅地区改良事業等について,引き続き必要事業費の確保や制度拡充等により推進・支援する。

(14) 幹線道路等の整備推進

 国土交通省においては,次の措置を講ずる。

a 格子型幹線道路ネットワークを構成する高規格幹線道路等

 阪神地域の交通の円滑化はもとより,緊急時における交通の多重化,代替性を確保するため,格子型幹線道路ネットワークを構成する高規格幹線道路等について,引き続き事業費の確保により,事業を推進・支援する。

b 格子型幹線道路ネットワークを補完する一般道路

 緊急輸送道路や広域迂回路の一部を形成する幹線道路等及び災害危険市街地における緊急活動を支援する路線等の一般道路について,引き続き必要事業費の確保により,事業を推進・支援する。

(15) 防災性向上のための根幹的公共施設等の整備

 国土交通省においては,次の措置を講じる。

a 避難地・防災活動拠点となる都市公園等の整備

 広域防災拠点,広域避難地及び一次避難地等となる防災公園等並びに防災公園等における災害応急対策施設の整備について,引き続き必要事業費の確保等により事業を推進・支援する。

b 土砂災害対策の推進

 二次災害の防止や避難路,避難地の安全確保等に資する土砂災害対策,六甲山麓部において安全性を高め緑豊かな都市環境と景観の保全・創出に資するグリーンベルトの整備について,引き続き必要事業費の確保等により推進・支援する。

c 防災性向上に資する河川の整備

 緊急時の消火用水等の取水等を行うためのアクセスが確保できる河川整備を行うとともに,防災拠点,広域防災帯として機能する河川の整備について,引き続き必要事業費の確保等により推進・支援する。

(16) 公共施設の耐震性の向上

 国土交通省においては,震災被害を踏まえ,緊急度の高い橋梁の橋脚及び落橋防止装置等の所要の補強対策,新耐震基準に基づく下水道施設の改築・更新等及び下水道施設のネットワーク化,砂防設備の補強について,引き続き必要事業費の確保等により推進・支援する。

(17) 災害に強いライフライン共同収容施設の整備

 国土交通省においては,一般国道2号等において,災害時におけるライフライン確保に資する共同溝・電線共同溝の整備について,引き続き必要事業費の確保により推進・支援する。

(18) 緊急時の消火・生活用水等の確保対策

 国土交通省においては,下水処理水の活用のための高度処理施設等の整備,生活用水の安定的供給や緊急時における消火用水等の供給が早期に可能となるダムの整備について,引き続き必要事業費の確保により推進・支援する。

(19) 情報通信基盤の整備

 国土交通省においては,災害時に迅速かつ的確に災害情報等を収集し,関係機関に伝達するとともに,道路・河川利用者等への情報提供に資する道路・河川情報通信基盤の整備を推進する。

(20) 災害公営住宅等の家賃の低減

 低所得者の被災者の居住の安定等を図るため,災害公営住宅等の家賃について,地元地方公共団体が特別に減額する場合の特別措置として,入居後5年間,その減額分の一定割合を国が補助するとともに,地方負担について,特別交付税措置を講ずる。

 また,入居後5年間を対象とする現行措置に引き続き,激変緩和としての5年間の移行措置を講ずる。

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