表示段落: 第2部/第6章/4/4-1


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4-1 阪神・淡路大震災に対してとった措置

(1) 地震防災フロンティア研究の推進

 理化学研究所においては,兵庫県の協力のもと,兵庫県三木市において,多分野の研究者等の連携により,都市部を中心とする地震災害の軽減に関する先導的な研究の推進を図った。

  [国費 267,752千円]

(注)

 [ ]書きは 第3章2-2(2) に計上したものの一部である。

(2) 実大三次元震動破壊実験施設の整備

 科学技術庁防災科学技術研究所においては,構造物等の耐震性向上を図るため,阪神・淡路大震災級の地震動の再現により,実大規模の構造物等の破壊現象を解明する実大三次元震動破壊実験施設の整備を,兵庫県三木市において推進した。

  [国費 7,991,041千円]

(注)

 [ ]書きは 第3章2-2(3)d に計上したものと同じである。

(3) 大阪湾ベイエリアの整備の促進等

a 阪神・淡路地域における活力あるまちづくり推進調査

 国土庁においては,復興計画の中の大阪湾ベイエリア開発にとって重要な高次産業機能,高次都市機能等に関するプロジェクトのうち,緊急性,重要性の高いものに係る事業内容,事業化方策等の検討を実施した。

  (国費 14,561千円)

b NTT無利子融資制度の融資比率の引き上げの実施

 日本開発銀行のNTT株売払収入の活用による無利子貸付等においては,大阪湾臨海地域開発整備法に基づく中核的施設の整備の推進による被災地域の復興を図るため,平成11年度までに整備計画の承認を受けたものに対する融資比率の改善(神戸市,尼崎市,西宮市,芦屋市,伊丹市及び宝塚市において現行25%または37.5%を50%に引き上げ)を行った。

(4) 復興に伴う登記事務処理体制の整備

 法務省においては,大量かつ集中的に申請される復興に伴う登記について,迅速に事務処理を行うため,他部署の職員による事務応援及び賃金職員の雇用による処理体制の整備を図った。

  (国費 8,672千円)

(5) 登記特設相談所の開設

 法務省においては,阪神・淡路大震災による建物倒壊や不動産所有者の死亡に伴って必要となる登記手続,登記簿謄抄本の交付請求手続及び公図の閲覧等について,一般の申請人から相談があった場合に適切に応えていくため,登記特設相談所を開設した。

  (国費 13,054千円)

(6) 阪神・淡路大震災関係法律扶助事業

 法務省においては,阪神・淡路大震災の発生に伴って急増した法的紛争について,経済的理由により自己の正当な権利を実現できない人を対象として民事法律扶助事業(訴訟費用等の立替え等)を財団法人法律扶助協会及び近畿弁護士連合会と共催で実施した。

  (国費 26,402千円)

(7) 神戸港の復興に対する措置

 運輸省においては被災地の復旧・復興の支援拠点として,臨海部において防災拠点の整備を推進した。

  (事業費 8,306,000千円  国費 3,518,632千円)

(8) 鉄道の整備

 運輸省においては,神戸市営地下鉄(新長田〜三宮間8.1km)の新線建設に要する費用の一部及び鉄道駅の利便性及び安全性の向上を図るため最寄駅(阪神電鉄岩屋駅,春日野駅)の総合的な改善事業について費用の一部を補助した。

(9) 地域非常通信のためのネットワーク技術の研究開発

 郵政省においては,広域的な災害対策の迅速かつ的確な遂行を支援する耐災性の高い地域非常通信ネットワークを実現するため,引き続き阪神・淡路地域において先導的技術の研究開発を実施した。

  (国費 104,859千円)

(10) 勤労者財産形成持家融資の特例措置

 労働省においては,引き続き雇用促進事業団(現在の雇用・能力開発機構)の行う勤労者財産形成持家融資の特例措置として,既往貸付者に対し,り災割合に応じて支払いの猶予,貸付金利の軽減,償還期間の延長を行うとともに,新規貸付けについて5年以内の元金据置を認め,償還期間の延長及び貸付金利の軽減を行った。

(11) 安全衛生確保対策

 労働省においては,阪神・淡路大震災復旧・復興工事に対する安全衛生確保対策として次のことを行った。

  (国費 98,133千円)

a 安全衛生教育

 新たに雇い入れられた者や作業内容が変更になった者等に対する安全衛生教育,危険有害業務に関する教育及び職長に対するレベルアップ研修を実施した。

b 工事現場巡回指導等

 指導員による巡回指導を行った。

c 安全衛生設備の貸与

 リフレッシュカー及び木造家屋建築工事の墜落防止用設備等の貸与を必要期間無償で行った。

d 相談業務の実施

 専門家による安全衛生に関する相談,指導及び援助等を行った。

e 広報

 毎月17日を安全の日と定め,安全衛生の理解と認識を深めるための垂幕を作成配布したほか,建設業セーフティーワッペンを配布し,安全意識の高揚に努めた。

 また,行政,建災防支部の協力のもと,6月17日に建設業労働災害防止決起集会及び一斉合同パトロールを実施した。

(12) 年金福祉事業団による融資等

 特例措置として年金災害復興住宅資金融資を講じ,住宅に5割以上の災害を受けた厚生年金の被保険者等に対し,1,000万円を貸付限度として2.0%の低利融資を行った。

(13) 被災者向け住宅確保対策

 建設省においては,次の措置を講じた。

a 公的な住宅の供給

 被災者の居住の安定を図るため,災害公営住宅等の供給及び家賃の特別低減対策のための補助を行った。

 また,住宅建設と道路,公園等の整備を一体的・総合的に行う住宅市街地整備総合支援事業,密集住宅市街地において建築物の不燃化や老朽住宅の建替え等を総合的・段階的に行う密集住宅市街地整備促進事業を実施した。また,平成11年度補正予算において,これらの事業に追加的に財政支援措置を行った。さらに,不良住宅が密集し保安,衛生等に関し危険又は有害な状況にある地区の環境の整備改善を図る住宅地区改良事業を実施した。

b 個人の自力による住宅の再建,取得,補修の支援

 通常融資と較べて低利の住宅金融公庫の災害復興住宅融資等により,個人の自力による住宅の再建,取得,補修を支援した。

c ニュータウン開発及び関連する公共施設の整備

 住宅供給のために緊急かつ必要不可欠なニュータウン開発及び関連する公共施設の整備事業を実施した。

(14) 被災地域の再生等のための面的整備事業の推進

 建設省においては,被災市街地復興推進地域等の再生,被災者のための住宅供給及び新都市核の整備に関連する土地区画整理事業,市街地再開発事業を実施した。

(15) 河川の復旧

 建設省においては,被災した河川等の公共土木施設の復旧とあわせて,必要な箇所については改良復旧事業を実施した。

(16) 幹線道路等の整備

 建設省においては,次の措置を講じた。

a 格子型幹線道路ネットワークを構成する高規格幹線道路等

 阪神地域の交通の円滑化,緊急時における交通の高速化,代替性を確保するために,格子型幹線道路ネットワークを構成する高規格幹線道路等の整備を実施した。

b 格子型幹線道路ネットワークを補完する一般道路

 緊急輸送路や広域迂回路の一部を形成する幹線道路等及び避難路や災害危険市街地における緊急活動を支援する路線等,格子型幹線道路ネットワークを補完する一般道路の整備を実施した。

(17) 防災性向上のための根幹的な公共施設の整備

 建設省においては,次の措置を講じた。

a 避難地・防災活動拠点となる都市公園等の整備

 大震災発生時に,復旧・復興本部や生活物資等の中継基地として機能する広域避難地や一時避難地となる防災公園,地域住民の集結場所,消防救護活動の拠点として機能する防災公園の整備等を実施した。

b 土砂災害対策の推進

 二次災害の防止や避難路,避難地の安全確保等に資する土砂災害対策の推進,六甲山麓部において土砂災害に対する安全性を高め緑豊かな都市環境と景観の保全,創出に資するグリーンベルトの整備を推進・支援した。

c 公共施設の耐震性の向上

 高速自動車国道,阪神高速道路,一般国道等のうち緊急度の高い橋梁についての耐震補強,新耐震基準に基づく下水道施設の整備,改良,ゼロメートル地帯等の海岸堤防等の補強を実施した。

(18) 災害に強いライフライン共同収容施設の整備

 建設省においては,災害時におけるライフライン確保に資する共同溝及び電線共同溝の整備を実施した。

(19) 緊急時の消火・生活用水等の確保対策

 建設省においては,下水処理水の活用のための高度処理施設等の整備を実施した。また,消火用水の安定的な供給や緊急時における消火用水等の供給が早期に可能となるダムの整備を実施・支援した。

(20) 情報通信基盤の整備

 建設省においては,災害時の迅速かつ的確な災害情報等の収集,伝達,道路・河川利用者等への情報提供に資する道路・河川情報通信基盤の整備を実施した。

(21) 阪神・淡路大震災復興基金に係る地方財政措置

 兵庫県及び神戸市においては,阪神・淡路大震災からの早期復興のための各般の行政施策を補完し,被災者の救済及び自立支援,並びに被災地域の総合的な復興対策を長期・安定的,機動的に進めることを目的とした(財)阪神・淡路大震災復興基金を平成7年4月1日に設立した。設立当初の同基金の規模は6千億円で,そのうち出資金2百億円,長期借入金5千8百億円を兵庫県と神戸市がいずれも2対1で負担している。

 自治省としては,被害の甚大性等にかんがみ,同基金を支援することとし平成7年度において,県市の出資金及び長期借入金の原資に対して地方債を許可するとともに,長期借入金に係る地方債のうち,5,000億円から生じる利子について普通交付税措置(算入率95%)することとした。また,平成8年度においては,生活再建支援事業を行うために積み増しした基金3,000億円に対して地方債を許可するとともに,そのうち2,000億円から生じる利子について普通交付税措置(算入率95%)を講じることとした。

 さらに,生活再建支援事業の拡充のため,平成8年度に積み増しした基金3,000億円の設置期間を4年間延長(平成17年度まで)し,そのうち1,500億円から生じる利子について普通交付税措置(算入率95%)を講じることとした。

 なお,平成11年度においては,引き続き,長期借入金に係る地方債のうち7,000億円から生じる利子について普通交付税措置を講じている。

(22) 災害公営住宅等の家賃の低減

 低所得者の被災者の居住の安定等を図るため,災害公営住宅等の家賃(40m 2 で3万円程度)について,地元地方公共団体が特別に減額する場合の特別措置として,入居後5年間,その減額分の一定割合を国が補助するとともに,地方負担について,特別交付税措置を講じるなどの支援を行った。

 これにより,例えば神戸市の公営住宅の場合,夫婦世帯で年収100万円程度以下の層では家賃6千円程度まで引き下げられることとなった。

(23) 震災復興事業に係る特別の地方財政措置

 自治省においては,被災市街地復興特別措置法に基づく「被災市街地復興推進地域」において被災地方公共団体が実施する土地区画整理事業及び市街地再開発事業に係る地方債の元利償還金について,引き続き地方交付税措置を講じた。

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