表示段落: 第2部/第5章/3


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3 砂防事業

 建設省においては,第9次治水事業七箇年計画に基づき,平成11年度は,激甚な土砂災害から人命・財産を守る土砂災害対策を強化するため,緊急土砂災害防止対策,交通網集中地域等に係る土砂災害対策,自力避難が困難な災害弱者関連施設における土砂災害対策,都市山麓グリーンベルト整備事業等のハード対策を推進するとともに,土砂災害予警報システムの構築,及び「ダイレクトメールによる危険箇所の周知」等の危機管理体制の強化に資するソフト対策を推進した。

 また,砂防設備の整備にあたっては,野外活動拠点整備や総合的な土砂管理対策の推進等地域の活性化や自然環境との調和に配慮するとともに,間伐材を有効利用した木製防災施設整備等の他省庁との連携,公共工事に係るコスト縮減の推進,砂防ボランティアとの連携等により効率的・効果的実施を図った。

  (事業費 431,149,900千円  国費 260,113,000千円)

3-1 直轄事業

 利根川等34水系について,重荒廃地域,火山地域,都市地域等に重点において事業を実施した。

3-2 補助事業

a 通常砂防事業

 近年の災害による荒廃の著しい溪流や土石流の発生により人命,財産に大きな被害を及ぼす危険性が高い溪流及び都市区域等に重点を置き,全国1,627溪流において事業を実施した。

 また,情報基盤緊急整備事業によりテレメータ雨量計やワイヤセンサーなどの観測機器や,これらのデータを処理する監視装置,情報の伝達等に関する機器の設置,及びこれらを統合する土砂災害警戒避難システムの整備を推進した。

b 火山砂防事業

 火山地,火山麓地,又は火山活動により著しい被害を受ける恐れのある地域における,泥流,土石流等に関する対策を全国371溪流において実施した。

 また,活火山20火山22地区において火山地域における警戒避難体制を整備する火山噴火警戒避難対策事業を実施した。

c 砂防環境整備事業

 上流に砂防設備が整備され,土石流等による直接的な土砂災害のおそれがなくなった都市及び都市周辺の13溪流において実施した。

d 溪流再生事業

 すぐれた自然的環境や,良好な町並みなどの社会的環境を持つ地域等の溪流において,景観や親水性の向上,生態系の回復等を図り,周辺の地域環境に相応しい良好な溪流を再生することを目的に7溪流において実施した。

e 砂防設備修繕事業

 老朽化した既設の砂防設備について,修繕を行うことにより機能維持・回復を図ることを目的として事業を実施した。

f 砂防激甚災害対策特別緊急事業

 平成10年度に土石流等により激甚な災害が発生した栃木県那須地区において,再度災害を防止するための整備を緊急に実施した。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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