表示段落: 第2部/第4章/4


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4 火山災害対策

4-1 教育訓練

(1) 警察庁における教育訓練

 警察庁においては,都道府県警察の幹部に対して,火山災害発生時の災害応急対策等についての教育訓練を行うとともに,各管区警察局単位で広域緊急援助隊の広域派遣訓練,救出救助訓練等を実施した。

(2) 海上保安庁における教育訓練

 海上保安庁においては,地方公共団体等と合同で桜島等において,噴火災害を想定した実働訓練を実施した。

4-2 防災施設設備の整備

(1) 活動火山周辺地域における農林水産業防災施設の整備

 農林水産省においては,次の事業を行った。

a 防災営農施設整備事業

 活動火山の降灰による農作物の被害に対処するため,防災営農施設整備計画に基づき,次の事業を行った。

(a)

 活動火山周辺地域防災営農対策事業

 降灰による土壤の酸性化等の矯正に必要な石灰質資材等の共同購入を行う降灰地域土壤等矯正事業,降灰被害の防止又は降灰除去のため野菜,茶,果樹等について被覆,洗浄等の施設を整備する降灰防止・降灰除去施設等整備事業等を行った。

  (事業費 3,825,446千円  国費 1,900,059千円)

(b)

 畑地かんがい施設の整備

 降灰対策を含む多目的かんがいを行うことを目的として,深層地下水の有無及び利用の可能性を確認する畑作振興深層地下水調査を実施するための経費の助成を行った。

  (事業費 16,200千円  国費 8,100千円)

b 活動火山周辺地域防災林業対策事業

 しいたけ等特用林産物について,降灰の防止又は降灰の除去のために必要な機械施設を整備する事業を行った。

  (事業費 7,360千円  国費 3,680千円)

c 火山地域防災機能強化総合治山事業

 火山地域において,荒廃地の復旧整備及び山地災害の未然防止を図るため,治山ダム観測施設の設置等を行う事業を4地区について実施した。

  [事業費 3,389,853千円  国費 2,429,989千円]

(2) 火山観測施設の整備等

 気象庁においては,桜島,安達太良山を常時観測するための火山観測施設の改良更新を行ったほか,三宅島の火山観測施設の整備等を進めた。

  (国費 515,306千円)

(3) 火山砂防事業の推進

 建設省においては,以下の事業を推進した。

a 火山砂防事業の推進

 火山地,火山麓地,又は火山現象により著しい被害を受ける恐れのある地域において,土石流,溶岩流,火山泥流等に対する砂防設備の整備を実施した。

b 火山噴火警戒避難対策事業の推進

 24活火山について火山災害予想区域図の作成を促進するとともに,火山活動の状況や異常な土砂の動き等の監視,情報伝達するために必要な監視カメラ,光ファイバー網等を整備して火山噴火対策情報ネットワーク整備の促進を図った。

(4) 降灰対策用機械の整備

 建設省においては,桜島降灰除去事業に必要な機械の更新を実施し,合計25台の道路降灰対策用機械による降灰除去作業を実施した。

  (事業費 28,000千円  国費 15,000千円)

4-3 その他

(1) 活動火山対策の総合的推進

 国土庁においては,地理情報システム(GIS)を活用したシステムを構築するための調査を行うとともに,活動的な火山に係る防災対策の整備の促進を図った。

  (国費 12,553千円)

(2) 火山情報の発表,伝達等

 気象庁においては,常時観測火山については定期的に,また,各火山について火山活動の活発化等変化が生じ,発表の必要を認めた場合には,臨時に火山情報を発表して一般及び防災関係機関への周知に努めた。有珠山の火山活動では,適時適切に緊急火山情報を北海道知事に通報した。なお,必要に応じて,火山機動観測班を現地に派遣し,各種の観測及び調査を行った。

(3) 火山情報整備

 建設省国土地理院においては,樽前山地区について,2万5千分の1火山土地条件図の作成を行い,また,焼岳,磐梯山について,既存の火山基本図の数値化を行った。

  (国費 19,227千円)

(4) 伊豆半島東方沖火山活動に関する連続監視

 建設省国土地理院においては,伊豆半島東方沖の火山活動に伴う地殼変動の動向を的確に把握するため,電子基準点(GPS連続観測施設)等による地殼の三次元的な連続監視を行った。

  [国費 1,500千円]

(注)

 [ ]書きは,第3章2-1(19)に計上したものの内数である。

(5) 火山災害防止のための啓発普及活動

 建設省においては,火山砂防事業の推進に寄与することを目的とした火山砂防フォーラムの開催を支援し,火山災害防止のための啓発普及活動を行った。

(6) 活動火山対策の推進

 消防庁においては,地域防災計画の充実,関係機関との連携,広域的な防災体制の確立等について,関係地方公共団体に対し要請・助言を行った。

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