表示段落: 第1部/第2章/8/8-3


表示段落: 第1部/第2章/8/8-3


8-3 鉄道災害対策

(1) 鉄道災害の現況

 我が国の鉄道災害は,安全対策を着実に実施してきた結果,列車の高速化・高密度化が進む中でも,長期的には減少する傾向にあるが,列車の高速化等に伴い一度事故が発生すると多数の死傷者を生じるおそれがある。

 平成12年3月に発生した帝都高速度交通営団日比谷線の列車脱線・衝突事故では,死者5人,負傷者63人となる等,甚大な被害が発生した。運輸省は,事故当日,事故調査検討会を直ちに立ち上げ,専門家を現地に派遣して調査を行うとともに,同営団に対して,再発防止対策の確立等に万全を期すよう厳重に警告した。また,全鉄道事業者に対して,軌道及び車両の点検等を確実に行うよう指示するとともに,当面の緊急措置として急曲線部における脱線防止ガード等の設置について通達した。事故調査検討会は,10月に最終報告を取りまとめ,脱線防止ガードの追加設置など5項目の対策を提言するとともに,新たな評価指標として「推定脱線係数比」を提案した。

(2) 鉄道災害対策

a 鉄軌道交通環境の整備

 国土交通省が,施設の保守について鉄軌道事業者を指導している。

b 鉄軌道交通の安全のための情報の充実

 気象庁は,鉄軌道交通の安全に係わる気象現象,予・警報等の情報を適時・的確に発表している。

c 鉄軌道の安全な運行の確保

 国土交通省において,迅速かつ的確な運行指令体制づくり,乗務員等に対する科学的な適正検査の定期的な実施について,鉄軌道事業者を指導している。

d 鉄軌道車両の安全性の確保

 国土交通省において,車両の技術上の基準への適合性を確認するとともに,事故事例に応じた対策を鉄軌道事業者に指導している。

e 踏切道における交通の安全の確保

 踏切道における自動車との衝突,置き石等による列車脱線等を防止するために,事故防止に関する知識を広く一般に普及するとともに,踏切道の立体交差化,踏切保安設備の整備等を計画的に推進している。

 また,鉄道災害が発生した場合,鉄軌道事業者や消防機関等は,相互に連携をとりつつ災害応急対策を行うこととしている。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.