表示段落: 第1部/第2章/2/2-5/(2)/c
c 災害の被害認定基準の見直し
現行の災害の被害認定基準は,昭和43年6月に統一されてから,既に30数年が経過していること,また近年の住宅構造の変化等により,浸水被害における断熱材等の被害や地震による住宅の傾斜など物理的損害の程度と基本的な居住のための機能の損害の程度とが必ずしも一致していないことから,最近の災害における住宅などの被害認定については,現状と合わなくなってきているなどの指摘がなされている。
このため,昨年11月に関係省庁や学識経験者の協力の下,当該被害認定基準について点検・見直しを行う「災害における住宅等の被害認定基準検討委員会」(委員長:高寄昇三甲南大学教授)を開催し,検討を行った。
委員会では,統一基準は,これまで災害状況の把握などを目的として使われてきたが,各種被災者支援策の対象要件に関連して,認定基準及び適用方法についてより一層明確化を図ること,住家の全壊・半壊の概念については,居住のための基本的機能が確保されているかどうかを要件とすることなどの見直しの基本方針に基づいて被害認定基準が見直された。
また,委員会の下に設けられたワーキンググループにおいて,被害認定基準運用指針(マニュアル)を検討・作成した。