表示段落: 第1部/第1章/4/(3)/[2]


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[2] 過疎化と災害

 20世紀は,上述したように都市化が進行する一方で,山林地域や農業地域から人口が流出し,耕作放棄地や無人化した地域が拡大した。ラテンアメリカ,北部アメリカ,ヨーロッパ等で顕著である。拡大した耕作放棄地や無人化地域においては,適切に自然を管理していくことが難しい面もあり,所によっては土砂流出の発生など災害につながっている。

 我が国においても,前世紀には,極めて急激な都市化と同時に,都市の利便性を享受しづらい地域を中心に人口減少が生じ,特に国土の多くを占める中山間地域等において過疎化が進行した。この傾向は21世紀中も継続し,国土の49%を占める過疎地域の人口は,1995年の797万人から2015年には602万人へ減少すると予測されている。現在,国土の60%が無人化しているが,このような地域はさらに拡大していくこととなろう。この結果,国土管理上重要な農地や森林等の管理が行き届かないことから,国土構造の脆弱性が拡大し災害の発生に結びつく可能性がある。

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