表示段落: 第1部/第1章/3/3-2/(1)


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(1) 災害の状況

 三宅島では,平成12年6月26日から地震が多発し始め,気象庁は,6月26日19時33分に「噴火のおそれがある」旨の緊急火山情報第1号を発表し,住民に警戒を呼びかけた。27日には三宅島西方約1km沖で海底噴火が確認された。その後活動は低下したが,7月4日頃から山頂で地震が増え始め,8日に山頂で噴火するとともに,大きな陥没火口が形成された。以後,山頂で噴火が繰り返され,8月18日の噴火では山麓に噴石が落下し,29日の噴火では,低温で勢いのない火砕流が発生した。10月以降は火山灰の噴出はほぼなくなったが,9月以降,二酸化硫黄等の火山ガスを大量に放出する状態が続いている。なお,12月下旬から13年1月中旬にかけて山頂部で弱い火映現象が観測された。

 また,12年7月から8月までに三宅島近海から新島・神津島近海にかけて活発な地震活動があり,2か月間で震度6弱6回を含む震度5弱以上が30回観測された。

 これら一連の火山・地震活動により様々な被害が発生した。

 7月から続いた地震では,7月1日の震度6弱を観測した地震で神津島村の住民1人が亡くなるとともに,新島村で最大413名,神津島村で最大918名に対し避難指示や避難勧告が出された。また,三宅島の噴火活動の活発化から,三宅村では,9月2日に三宅村の全住民に対し島外への避難指示が出され,4日までに全住民が島外に避難するに至り,現在(13年4月末)も続いている。

 また,住宅や電気・水道・電話・放送に加え,道路・河川・港湾・空港等の公共施設等が被害を受け,住民生活に大きな影響を与えた。新島村では,全壊2棟,半壊15棟,停電1,976戸,断水152戸,NTTドコモ基地局1局が停波となった。また,都道,林道で土砂崩落,路面亀裂等の被害が発生し,計約20kmで通行止め(12年9月25日現在)となったほか,がけ崩れ8か所等の被害が発生した。農林水産業関係では,農業用水施設2か所,林地荒廃・治山施設39か所,漁港施設3か所等の被害となった。神津島村では,全壊2棟,停電1,690戸,断水20戸のほか,ケーブルテレビ受信施設の損壊により放送が停止した。また,都道,林道で土砂崩落,路面亀裂等の被害が発生し,計約41kmで通行止め(12年9月25日現在)となった。さらに,がけ崩れをはじめとした土砂災害34か所等の被害が発生したほか,空港の滑走路に段差が発生した。農林水産業関係では,ビニールハウスの損壊,農業用施設9か所,林道4か所,林地荒廃・治山施設41か所,漁港施設1か所の被害が発生した。三宅村については,火山活動の影響で,降灰,泥流,地殼変動等が発生し,多くの施設等に被害が生じているが,多量の火山ガスの噴出が続き,被害の詳細については把握できない状態である。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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