1994年東南海断層モデルと未破壊領域の境界1


南海トラフ沿いのプレート沈み込み境界における地震発生領域の浅部及び深部限界の考え方
 
1
Hyndman et.al(1995)により、南海トラフ沿いの領域に対して、heat flow や heat generation の観測結果を拘束条件とした温度分布モデルが有限要素法を用いて得られている。
 
2
Hyndman et al.(1997)によると
 
1)
浅部限界について
    沈み込み直後は、未団結な粘土堆積物が境界面に持ち込まれ、安定すべりが起こるが、深くなるにつれ温度が上昇し、100〜150度に達すると脱水反応が起こって不安定すべりが可能となる。1の温度分布モデルから南海トラフの場合、深さ約30kmに対応すると考えられる。
 
2)
深部限界について
    駿河〜南海トラフのように、若いフィリピン海プレートが大陸地殻の下に沈みこむようなケースでは、深い領域での安定すべりへの遷移は温度によって支配される。おおむね350〜450度までは不安定すべりが可能であり、1の温度分布モデルから南海トラフの場合、深さ約30kmに対応すると考えられる。
 
3
南海トラフ沿いの巨大地震い関する地震波形、津波波形、地殻変動を用いたすべり量分布に関する研究(例えば1944年東南海地震に対する Tanioka&Satake(2001),Kikuchi et al.(1999)や1946年南海地震に対する Tanioka&Satake(2000),Sagiyama&Thatcher(1999)においても、大きなすべり量を示す領域は上記と整合する。
4 以上から東海地震の震源域モデルの深さ上限・下限を10km及び30kmに設定する。
 
・地震調査研究推進本部(2001)による想定震源域
 

 
 
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