I.東南海、南海地震の想定震源域について1


I.東南海、南海地震の想定震源域について
 
1
東南海、南海地域に発生する地震についての考え方
   
(1)
歴史地震の調査結果によれば、東海〜南海地域では、これまで100年〜150年程度の間隔でマグニチュード8クラスの地震が発生しており、今世紀前半にも発生が懸念されていることから、今のうちから事前の対策を進める必要がある。
(2)
1707年宝永地震では、駿河湾〜四国西縁にわたる全域が同時に破壊した。
(3)
1854年安政東海地震と1854年安政南海地震では、駿河湾〜和歌山県潮岬にかけての領域と潮岬〜四国西縁にかけての領域が32時間の間隔で連続して破壊した。これら2つの地震の震源域の合計は、1707年宝永地震の震源域と同程度とされている。
(4)
1944年昭和東南海地震と1946年昭和南海地震では、静岡県浜名湖〜潮岬にかけての領域と潮岬〜四国西縁にかけての領域が2年の間隔をおいて破壊した。1944年昭和東南海の震源域は1854年安政東海地震の震源域よりやや小さく、1946年昭和南海地震の震源域は1854年安政南海地震の震源域よりやや小さいとされている。
(5)
以上のように、東海〜南海地域に過去に発生した地震の震源域及び発生の形態は様々である。防災対策の観点からは、上記の各例のように時間的・空間的にさまざまな発生形態を想定する必要がある。特に、1707年宝永地震の例のように、関東地方南部〜九州地方東部に至る広範な領域にわたる被害の拡がり、1854年安政東海地震と1854年安政南海地震の例のように隣接領域で短時間に連続して発生する地震による被害、また、強震動のみならず津波による被害等、この地域に発生する地震による被害の特徴を十分把握することが重要である。
   
2
震源域の設定等の考え方
当調査会における検討では、東海〜南海地域に発生する地震の想定震源域については、中央防災会議「東海地震に関する専門調査会」、及び文部科学省の地震調査研究推進本部の検討成果を最大限に活用し、まずは、初期モデルとして以下のような考え方に基づき強震動や津波の試算結果と過去の地震による被害実態との比較検討も踏まえ、必要なフィードバックを行った上で、最終的な想定震源域を設定することとする。

(1) 過去に発生した地震から見て、駿河湾〜浜名湖にかけての領域、浜名湖〜潮岬にかけての領域、潮岬から四国西縁にかけての領域の3つの領域に分け、それぞれの領域を震源域とする地震を、順に、想定東海地震、東南海地震、南海地震とする。これらの震源域は互いに重なり合わないものとする。
本調査会では、以下の5つのケースの地震を対象として検討する。
 
1)
想定東海地震、東南海地震、南海地震の領域が同時に破壊する地震
 
2)
想定東海、東南海地震の領域が同時に破壊する地震
 
3)
東南海地震、南海地震の領域が同時に破壊する地震
 
4)
東南海地震
 
5)
南海地震
(2)
想定東海地震と東南海地震との境界
  東海地震に関する専門調査会の検討結果である、想定東海地震の震源域の西端とする。
(3)
東南海地震及び南海地震の浅部及び深部の境界
  中央防災会議「東海地震に関する専門長会」と同じく、浅部境界は沈み込むプレートの深さ10kmに、深部境界は深さ30kmとする。これら境界としては、既に、地震調査研究推進本部がこの考えに従い総合的に判断して求めた境界とする。
(4)
東南海地震と南海地震の境界モデル南海地震の西側境界
  地震調査研究推進本部に震源モデルの境界とする。なお、南海地震の西側境界については、強震動を発生する領域としてはやや西側に拡がっている可能性もあることも留意する。
(5)
震源断層の形状
  気象庁による震源分布から求められる沈み込むプレート上面の形状に合わせて震源断層の形状を定める。
 

 
 
一覧へ 】【次へ

 
 
 
 
 
 

 
 
 

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.