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今後の地震対策のあり方に関する専門調査会の設置について

1.必要性

(1)阪神・淡路大震災後の対策の総括
 戦後、我が国の大都市直下を襲った初めての大地震である阪神・淡路大震災の様々な教訓を踏まえ、大震災以降、行政、民間の各分野において様々な地震防災対策の充実強化が図られてきており、相当の成果をあげている。
 しかし、地震防災体制については、防災基本計画や地域防災計画等様々な計画が策定されているが、具体的な行動様式が記述されておらず、震災時に具体的に動けるものとなっていないなど、実効性が十分に確保されていない点がある。地震防災施設についても、子供や高齢者・障害者等の災害弱者に供される医療施設・社会福祉施設や避難所として利用されることの多い小中学校等、耐震化が進んでいないものもある。また、老朽木造住宅密集市街地の解消や都市部でのオープンスペースの確保等の災害に強い街づくり対策も十分進捗していない状況にある。
 このため、阪神・淡路大震災後の対策の総括を行い、対策の実効性の検証を行うとともに、そのボトルネックとなっている原因を究明し、その解消を図る必要がある。
 
(2)経済社会情勢の著しい変化への対応
 近年、少子高齢化の進行、経済成長の鈍化、ITの飛躍的な進展など経済社会情勢の著しい変化が起こっており、今後、高齢者等の災害弱者の増加、行政における投資余力の減少等が見込まれるとともに、ITの活用により密度の濃い防災関係情報の提供等を可能とすることも期待できる。
 このため、防災面でのバリアフリー化の促進、ITを活用した防災情報共有社会の確立、限られた予算の中での効率的・効果的な地震対策の推進、行政による「公助」だけでなく、「共助」、「自助」も含めた地震防災体制の確立等経済社会情勢の変化に対応した対策の実施が求められている。

2.検討事項

 阪神・淡路大震災以降に講じられてきた地震防災対策を再点検し、対策の実効性の検証等を行うとともに、そのボトルネックとなっている原因を究明し、その解消を図る。また、経済社会情勢の著しい変化に対応した地震防災対策のあり方について検討する。
◆ 具体的検討事項例

(1)実効性ある防災体制の構築
 防災基本計画や地域防災計画等は具体的な行動様式が記述されておらず、これのみでは実効性が十分に確保されない等の問題があり、被災時の実践的なマニュアル、情報収集・伝達体制などについて、実効性のあるものとするための方策について検討するとともに、定期的な訓練の実施や人事異動があった際等の研修の実施を含め、「どれだけ実効性をもって動くことができる」かに焦点を当てた検討を行う。
 
(2)防災対策施設の整備目標の明確化・効率的な防災対策の実施
 防災の観点から施設整備の進捗を評価する手法自体が確立していないため、より効果的な施設整備の方策の検討・判断が難しい状況にあり、これが防災対策を進める上での一つのボトルネックになっていると考えられる。また、今後経済成長の鈍化に伴い、一層効果的・効率的な防災対策の実施が望まれることから、地震防災施設についても、現状評価のための指標やあるべき水準等について整理を行い、整備の進捗の評価手法をどのように確立すべきか検討する。さらに、限られた予算の中で、地震防災の観点から総合的な優先度などを勘案し、効率的かつ効果的な地震防災施設の整備を進めるための方策を検討する。
 
(3)「共助」、「自助」も含めた地震防災体制の確立
 行政による公助に限界がある一方、防災関係情報の提供も十分でないこと等から国民の防災に対する意識が必ずしも高くなく、これが防災対策を進める上での一つのボトルネックになっていると考えられる。
このため、行政において実効性のある対策を推進するとともに、行政、企業、個人、NPO等の様々な主体の役割分担を明確にしつつ、個々の市民や地域企業が一体となって災害に強いまちづくり・コミュニティづくりに参画する仕組み、防災ボランティアの登録制度、災害時においても生活必需品等を継続して提供するための企業と行政の連携のあり方など、「共助」、「自助」の定着を図る方策を検討する。
 また、ITも活用しつつ、地震危険度マップ、被害想定結果図等の防災関係情報の公開・提供・共有の促進方策を検討するとともに、防災性の高い土地、建物、物品を評価する制度の導入等徹底した防災関係情報の共有による防災における市場原理の浸透方策を検討する。

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内閣府(防災部門)
2001, 内閣府