荒川の洪水はん濫時の浸水想定の公表について 中央防災会議「大規模水害対策に関する専門調査会」において、荒川の洪水はん濫時の応急対策等の検討に用いることを目的とした浸水想定をとりまとめた。 これまで、荒川においては、河川整備の目標である200年に1度の確率で発生する洪水流量注1を対象に、はん濫計算結果を重ね合わせた浸水想定区域図注2が公表されている。 この浸水想定区域図は、様々な地点で堤防が決壊した場合の浸水深の最大値を示したものであり、個別箇所で堤防が決壊した場合のはん濫域や浸水深は一部のケースしか公表されていない注3。 避難誘導、救助活動等の具体的な応急対応策は、堤防が決壊する場所によって異なってくることから、本専門調査会では、新たに、堤防決壊箇所が異なる25ケースの浸水想定を作成した。 類似のはん濫形態を持つものを5つの類型に分類し、各類型毎に、被害が最も大きくなるケース等の代表ケースを選定した。 なお、河川のはん濫は微妙な地形の相違によっても異なる場合があることから、レーザープロファイラー測量注4等の最新の技術・情報を用いて、検討を行った。【資料2】 代表ケースとしては、川口市(左岸21.0km)で堤防が決壊し、浸水域の人口が約160万人注5に及ぶケース(資料2、P4)や、北区(右岸21.0km)で堤防が決壊し、丸の内、新橋付近まで浸水するケース(資料2、P6)等がある。 さらに、洪水は自然現象であり、荒川の河川整備の目標流量(200年に1度の確率で発生する洪水流量)を上回る洪水が発生する可能性があることや、気候変動により大雨の頻度の増加が予測されていることから、新たに、洪水流量を約1割増(約500年に1回の確率で発生する洪水流量に相当)注6、約3割増(約1,000年に1回の確率で発生する洪水流量に相当)注7としたケースの浸水想定を作成した。【資料3】 約3割増の洪水流量時に川口市(左岸21.0km)で堤防決壊した場合、江戸川区が浸水し、はん濫域の人口は約160万人注5から約220万人注5に増加。葛飾区役所周辺の浸水深は、0.5m〜1m程度から2階の床が浸水する3m程度に増加する(資料3、P2)。 このため、避難の対象範囲や避難場所の選定、重要施設の浸水対策等の検討の際には、洪水規模が増大した場合についても留意する必要がある。 今後、これらの浸水想定結果を用いて、人的被害や物的被害、経済被害等の想定を実施し、被害軽減を図るための対策の検討を行い、平成20年度内を目途に大規模水害対策をとりまとめる予定。 (注)
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