地域コミュニティの力を活用した風水害対策の活動事例

(7) 兵庫県神戸市兵庫区湊山地区防災福祉コミュニティ

地域の特色

神戸市兵庫区湊山地区は、新湊川上流に位置し、昭和13年の阪神大水害では甚大な被害が出た。昭和47年にも下流域で大きな洪水が発生し、平成10年には床上浸水400戸、平成11年には270戸が床上浸水した。その後、新湊川の改修は進んでいるが、土砂災害危険箇所もあり、引き続き風水害への警戒態勢をとっている。湊山地区には、平成16年11月現在で5,608人、2,731世帯が居住し、65歳以上の人は31.7%、山間部では4割近くまでに増えており、高齢化が進んでいる。阪神・淡路大震災後、湊山地区防災福祉コミュニティが結成され、地震や風水害対策に取り組んできている。

防災活動の状況

年2〜3回、湊山地区に6箇所ある防災資機材倉庫の物品数量の点検を行い、小型ポンプ、発電機の稼働テストを行っている。また、2〜3年のサイクルで、土嚢積み、ジャッキの取り扱い、ロープ操作、担架組み立て、応急手当て、心肺蘇生術、河川水によるポンプ放水などの実働訓練を行っている。 平成13年に重点対策箇所を明示したコミュニティ安全マップを作成し、パトロール重点地域、水害、山崩れ危険箇所、防災資機材倉庫、消火ボックスの位置を示した。年度毎に追加変更を行っている。また、神戸市が作成した平成16年版「コミュニティ安全マップ(湊山地区防災福祉コミュニティ)」と昭和47年7月の洪水をベースに、「防災対策の地域地図(土砂災害、水災害に関する危険予想箇所図)」を作成した。 平成17年7月6日に、兵庫消防署の指導の下、大規模な水害を想定した図上演習(DIG)を実施した。豪雨で夜半に地区内でがけ崩れが発生し、被害者が出たとの想定課題の下、連絡、救助、搬送、避難誘導と真剣な議論の中で、自分たちの地域の防災上の強みと弱みなどを確認した。

災害時の対応

近年、大規模な災害はないが、小規模な災害は起きているので、それへの対処ができるかを考慮して対応している。 水害の危険が予想される時の対応としては、1時間雨量30mm、日雨量100mmが見込まれる場合、重点地域のパトロールを行い、異常が認められた場合、消防団に連絡することになっている。パトロールする際、水量の変化、泥の臭い、水中を流れる石の音、川に流れてくる物(木の根など)に注意することとしている。

今後の課題

図上演習を通じて、出てきた課題を、今後ブレークダウンし、体制を整えていくこと、また、現在の避難所では対応できないので、見直しをすることなどが課題となっている。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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